Grand Cuisine 2022
イタリア料理部門
金賞
「口の中でふわりと消える⁉」本気で辛いトマトソースをまとったとろけるチーズハンバーグ
農園野菜と大地の恵み となりのグリル
2015年、福岡県福津市を題材とした地方ドラマをNHKが制作することとなり、
多くの俳優の方々が、ここ福岡県福津市に滞在しました。
そしてとなりのグリルは
「主演を務める松田翔太さんの彼女が働くレストラン」として
その撮影の舞台に。
期間中、多くのドラマ関係者の方々に
当店の「とろけるむなかた牛グリルハンバーグ」を召し上がっていただく機会に恵まれました。
そんな撮影期間中のある日、
人気俳優松田翔太さんと 大女優宮本信子さんから頂いたリクエスト。それが
「このお店のハンバーグのスパイシーなのが食べてみたい」
というもの。
そこで、
元イタリアンシェフの料理長が覚醒し、作り上げたのが、
地元トマト農家のトマトを使った本格イタリアンスパイシーチーズハンバーグです。
それ以来「想像以上にちゃんとスパイシー、でも優しくとろけるハンバーグ」として、
ハンバーグ好きだけでなく、辛党の皆様に愛され続けているこちらの商品。
甘さの強いトマトとオリーブオイル。そして、複数のスパイスにより
しっかりと辛みのあるトマトソースを、鉄板で焼きたてのハンバーグにあわせ、
250℃のオーブンでぎゅっと うま味を閉じ込めました。
とろけるチーズが辛みをまろやかにし、更に奥深い味わいを楽しませてくれます。
全6種類のグリルハンバーグの中で、
わたくし古賀が 個人的に最もお気に入りなこちらのハンバーグ。
皆様にもぜひ召し上がっていただきたい逸品です。
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【とろけるグリルハンバーグ誕生秘話はコチラ⇓】
2010年、福岡県福津市。人口7万人に満たないのどかな港町。
そこにある1件のレストランは、まさに閉店の危機に瀕していた。
まだオープンして2か月。ピカピカでかわいい店内。そして元気のよいスタッフたち。
どれも魅力的な要素を詰め込んだはずの店内は、ひとけなく静まり返っていた。
「お客様が来ない・・・」
夕方17時から営業の店内。多くのアルコールやワインを揃え、
会社帰りのサラリーマンやOLの活気で賑わうはずだった店内は、
2~3組の家族連れがまばらに来店する毎日。
理想の店を開店し、夢見心地の時期はとうに過ぎ、頭の中は不安だらけ。
何か解決策は無いかと読み漁るお客様アンケート。
「美味しかった」のおざなりな言葉と、手厳しい叱咤が続く中、
ふといくつものアンケートが目に留まった。
『子供が頼んだハンバーグを一口食べたらすごく美味しくて、こんなにふわりと口の中で消えていくハンバーグは生まれて初めて食べました。次回はハンバーグを食べに来たいです。』
『ふと頼んだハンバーグが最高においしかった!旦那も子供も「ここのハンバーグ最高」って喜んで完食しました!』
「何?ハンバーグ? うちのハンバーグって・・普通・・だけど・・」
確かに店内で作ってはいるが、ステーキ用の肉を捌いた端肉の活用として作っているだけのサイドメニューである。それがこんなにも好評いただいているなんて。なぜだ?
◆絶賛のハンバーグ。かくし味は牧場出身の旅人サコちゃん?
となりのグリル再建の可能性をハンバーグに見出した私は、改めてレシピを見返す。
「うん、、自分で言うのもなんだが、クックパッドにも出てそうな ごく一般的なハンバーグのレシピだ(笑)」
それがなぜあんなに好評なのか・・まったくわからない。
そこでハンバーグの仕込み風景をしっかりと確認してみることに。
ハンバーグの仕込みを担当するのは、キッチン専門のスタッフ「サコちゃん」。
サコちゃんは、全国の牧場を渡り歩き、動物のお世話をしているというちょっと変わった経歴の女性。ここ数年は東北の牧場で働いており、久々に地元福岡に帰ってきていた。しばらくは実家で過ごそうということでアルバイトスタッフになったのだった。
準備している材料を見ても、やっぱりレシピ通り。
「う~ん。やっぱりわからん」
そんな中、サコちゃんのハンバーグ作りが始まる。工程も何ら変わらない・・・
と思って見ていたが、ふとある違和感に気付く。
「いつも作っている割に、ちょっと時間かかりすぎじゃないかな?」
そう思い、改めて観察すると
そこにはレシピには書いていない、2つのこだわりがあった!
◆究極のハンバーグへの道、スタート!
以前働いていた牧場主から教わったという、ハンバーグ作りのこだわり、それは
①段階的に最も細かくなるまで肉を挽くこと。そして②500回捏ねること。
その効果を確認するために、同じ材料で一般的な作り方をしたものと比べてみる。
両方を同じように焼き上げ、皆で試食してみる。すると
「何これ?全然違う!」「めちゃくちゃふわふわで柔らかい!」と、スタッフ皆大絶賛。
「よし、このハンバーグにかけてみよう!」
そこから、究極のハンバーグ作りが始まった。
◆運命の出会いは意外と近くに
ハンバーグ作りの工程は、サコちゃんに教わったように変更。つぎは素材を見直すことに。
これまでステーキや焼き肉用にさばいた肉の端切れを使っていた為、現材料には限りがあり多くは作れない。また使われる部位や赤身、脂身の割合も作るたびに異なっていた。また高品質の和牛は脂分が強い為、高齢の方などには少し脂っぽ過ぎる印象であった。
この先、ハンバーグの店としてやっていく為には、どうしてもハンバーグにぴったりな「赤身の美味しい牛肉」が必要となる。そこで九州各地の様々な牛肉や部位また等級などを探し、試していく日々が始まる。そしてついに、一つの牛肉に出会うこととなった。
脂身は少な目だが甘い。赤身は匂いは無くそれでいてしっかりとした肉の旨味があり、すじ張っていない。焼き肉やステーキにするには若干物足りない感もある牛肉である。
「これこそハンバーグにぴったりな牛肉だよ! これどこのなんて牛?」
それはなんと、存在さえも知らなかった「すぐとなり町」の小さな牧場の牛であった。
◆日本一清潔で牛想いな牧場が育てた「むなかた牛」
早速アポを取り牧場を訪れることに。山の中をイメージしながらナビに沿って向かうと、
なんとそこは住宅地に隣接する丘の上。
気さくな牧場主の社長さんに案内され牧場の中を見学してる最中、あることに気付く。
「この牧場には匂いがない。」
私も数々の牧場を訪れているが、家畜舎には必ず特有の「家畜臭」がある。それがここにはほとんどない。 むしろ牧場一面に咲くラベンダーやハーブの香りが心地よい程であった。
聞くと衛生管理は世界基準でもトップクラスのスコアであり、同基準をクリアしているのは日本にも他に2舎しかないとのことであった。
さらに驚いたことに、
この牧場の牛はスタッフが名前を呼ぶと振り返り、近寄ってくるのである。いかに日々心を通わせているのかが、聞かずとも十分にうかがえた。
もちろん私は、牧場主である社長にその場でお願いした。
「こちらの牛で最高のハンバーグを作らせてください」と。
◆相棒は九州が誇る鹿児島名産「六白黒豚」
もう一つ、むなかた牛に併せる豚肉選びも重要であるが、そちらは迷わなかった。
これまで全国展開してきた肉屋の目利きから、「かごしま六白黒豚」にほれ込んでいたからだ。
これらの素材を揃え、初めてのハンバーグ作り。
すでに次なる牧場を見つけ旅立っていったサコちゃんに学んだ作り方で作ってみる。
休日返上でスタッフが集まり試食会、、、結果は満場一致であった。
「今までよりも数段おいしい!」「口の中で一瞬で溶けてなくなった!」「こんなハンバーグ食べたこと無い!」「これなら絶対また食べたくなる!」
スタッフみな、一人残さず自画自賛の嵐である。
そうして作り上げた新たな看板商品「むなかた牛グリルハンバーグ」は大好評。口の中でフワッと溶けてなくなるその食感が話題となり、様々な地方番組や雑誌の取材も受けることとなった。
更に、それから2年後。旅行雑誌るるぶの編集者より連絡が入り、
読者投票により選出される『旅行雑誌るるぶ読者が選ぶ!絶品ハンバーグ大賞』に
となりのグリルのハンバーグが選ばれましたとの報告をいただくことに。
そして、開業わずか数か月で閉店を覚悟した田舎街のレストランを
その後11年に渡り支える人気商品となっております。
そんな多くの出会いと偶然が重なって完成した当店のグリルハンバーグ、
皆さまにも是非、お楽しみいただけたら幸いです。
【農園野菜と大地の恵み となりのグリル】
■住所:福岡県福津市花見が浜2丁目7‐13
■TEL:0940‐72‐4200