Grand Cuisine 2022
どんぶり部門
銅賞
「伊達鶏とガーリックトマト煮込み」の
【シン・オヤコドン】
知る人ぞ知る銘柄鶏『伊達鶏』に秘められた想い・・・
『伊達鶏』・・・知らないですよねWWW
一応、福島の銘柄鶏なんです。(生産者に失礼ですが..)
福島と聞くと・・・
「地震多いトコ」
「原発ヤバい・・」
など、ここ数年あまり良いイメージがないんです。。。
(ちなみに私は福島在住、居酒屋経営、お店も福島・・・)
そんな中で、数少ない?自慢がこの『伊達鶏』!
1985年、伊達鶏は現在の銘柄鶏の礎を作る形で飼育をスタート。
その頃は、肉質が柔らかいブロイラーか硬めの地鶏が主流の時代。料理人から求められたのは、
「料理して美味しく、調理しやすい鶏」、つまり料理に合う鶏でした。
伊達物産の先代社長は、伊達鶏の開発にあたり仏東部、リヨン北方のブレス地方を視察しその地域で育てられているブレス鶏と出会いました。地域と一緒に鶏を作り上げる環境とその想いに共感をし、
「南東北の気候風土に合った美味しい鶏を育てる」と心に決めました。
今も受け継ぐその想い。
「良い鶏を作るためには、使う料理人のこだわりにこたえたい」
肉の適度な弾力、旨味のある肉質、焼いた時の肉の縮み、、、。
試行錯誤を繰り返し、今も昔も日本人の味に寄り添ってきました。
鶏が元気に育つ環境は日本本来の姿であり、美味しさの追求に環境と人の力は必要なのです。
たまたま目にした記事に、生みの親「伊達物産」さんが取り上げられていました。
この記事を読んで、初めて『伊達鶏』への想いを知り、『伊達鶏』を使って何か出来ないか?
試行錯誤の始まりです・・・
【「愛」をテーマに】
まずは、何にしよう・・・・・・
伊達鶏の焼き鳥、一枚焼き、唐揚げetc・・・
どこでもやってる・・・
地元なので、伊達鶏をメインにしたお店も多数あります。
でも、「煮込み系」は意外と少ない!ってゆーか、あんま聞かない!!
なので、煮込みで即決。
若い頃、洋食もかじってたので「トマト煮込み」、これも即決。
「伊達鶏」自体、軍鶏やカシワほど硬くなく、ジューシーで適度に歯ごたえあるのが最大の特徴!
肉質がしっかりしているので、煮込みにも適してる!
伊達物産の先代社長、ありがとう!!!!
そしてもう一つ、こだわりたかったのが「ニンニク」
余談ですが、私、生まれは青森なんです。
ニンニクと言えば、青森!
粒が大きく、甘みが強い、嫌な辛味が少ない最強ニンニク!!!
余談ですが、私、ニンニクがあまり得意ではありません。。。。
香りがする程度なら全然OKなんですが、度が過ぎる、きっついニンニク料理は・・・こみ上げてくるモノがあります。。。
余談ですが、私、超ニンニク餃子を食ってから、あんなに好きだった餃子も、今では進んで食べられなくなりました。。。
でも、青森のニンニクなら大丈夫!!!
刺激の強い匂いがなく、ニンニクが得意ではない方でもイケちゃう凄いヤツです!!!
たまたまなんですが、二つの県産食材を使うことにしたので、青森への「故郷愛」、福島への「地元愛」をテーマに、煮込み料理を作っていきます!!!!
【ごめんなさい。。仕込みの時が、ジュンジュワ~♪】
この料理のベースとなる、トマトソース作り!!
トマトはイタリア産のトマトホールとピューレを使います。
イタリアには縁もゆかりもないのですけど・・・
「なぜイタリア産??」
地元にも甘みや酸味のバランスがいいフルーツトマトもたくさんありますが、イタリア産トマトは、「加熱することによって粘りのある独特の旨味」が出るから。
これは地元のフレッシュなトマトでは出せない味なんです!!
なので、トマトソースを作る時はいつもコレを使います!
さぁ!ここからテンポアップ!!
頭の中に映像を思い描いてくださいね!!!
玉ネギと大量の青森産にんにくのみじん切りをよ~く炒めて、食欲をそそるお馴染みの「アノ」香りが
ブワァ~~っとMAXに達したら、トマトを投入!
更に炒めて粘りのある旨味を確認!鮮やかな「赤」になります!!
各調味料を入れて、隠し味に○イスターソー〇を少々。
日本人好みの味に寄せる為の裏ワザ!
ある程度の味が決まったところで、コンソメスープを投入。
同時に食べやすい大きさにカットした伊達鶏に小麦粉をまぶし、フライパンで表面だけこんがりと焼き色をつける。
もうこの時には、トマトとニンニクの興奮状態になる匂いと、鶏が焼けた時のテンションぶち上がり唾液ジュンジュワ~の脂の香りが、鼻から全身に行き渡ります!!!!
すかさずトマトソースへ焼きあがった伊達鶏をIN!!
そこからコトコト煮込みスタート!!
早く食べたい!!!
もうちょっと待って!!!!
テンポアップ終了!!!!
ここから少し時間を掛けて煮込んでいきますが・・・
よくある、
「箸でもほぐれる」的なヤツにはしたくなかったので、程よいタイミングで火を止めて完成させます。
理由は、
「伊達鶏の肉質・食感もしっかり味わってほしいから」
です。
【暴露】「どんぶり」に隠された秘密とは・・・
出来上がった「伊達鶏のガーリックトマト煮込み」をスタッフと試食。
見た瞬間に、
「美味しそぉぉぉ~~!!!」
一口食べて、
「ウマっ♡」
心の中でガッツポーズの瞬間です。
私も含めて何人かで一緒に食べていましたが、食べ進めていくうちに思っているコトがみんな同じだったようで、
誰かがボソッと、
「米、欲しくね??」
全会一致で白飯と食べ始め、
「ウマっ♡」
が
「うめぇぇぇぇぇぇ~~!!!」
に。
最初にニンニクの効いたほのかな酸味と甘みの濃厚なソースが鼻から抜ける香り
ほぐれ過ぎず食感がある伊達鶏の肉の旨味を感じながら、口の中で白米と混ざり合った時に出る声
それが、
「うめぇぇぇぇぇぇ!!」
単品の肉料理としてプレートで出す予定だった料理が「どんぶり」に進化したウラ話です。
:追伸
*上に乗っかってる「温玉」は、その時なんとなく乗っけて食ったら美味かったので採用
*そして温玉も地元福島の飯坂温泉で作られたホンモノの「温泉玉子」
最後まで、『愛』を忘れずに♡